リライト、リビジョン、リアクト、リライブ
全滅領域、監視機構、世界受容
GAE で Perl を動かせるなら
Google App Engine の Managed VMs を使って Perl を動かすのを試した。
単なる「やってみた」系で、内容として難しいことは何もない。動かす部分については Qiita にまとめてある。ここでは、さっさと Perl 試せば良かったという言い訳を。
むかし、前職の CTO (当時)に「言語なんてどれも一緒」的なことを言われたことがある。独学で Perl からプログラミングを始め、そのまま就職してしまった身としては、ふうんそういうものかね的な気持ちだったのだが、今はその意味が解る。
当時言わんとしていたことは、たぶんロジックレベルで大差ないということなのだと思う。仕事をする中で、そのことはもやもやとわかったつもりではいたが、自分がこの意味をきちんと理解できたのは、自前で構文解析器を書き、オレオレ言語が作れるようになったときだった。
以降、どんな言語を見ても、「それをどのように構文解析するか」ということが頭に浮かぶ。実際に解析器を書けるかということが問題なのではない。そのレベルでは、言語は大枠のカテゴリで大別されているだけで、キーワードの違いとちょっとした気の利きようだけが差異に感じられる。もちろん、実装の工夫はたくさんあるだろうが、実行方法は「言語」ではない。
こうして、(慣れの影響で) Perl がいちばん読みやすいという幻想が解けてしまった。私は経緯から Perl に思い入れがあるが、今の仕事では主に C++ を使っているし、ウェブも SPA が増えて、 JavaScript ばかり書いている気がする。プライベートではその時その時で適当な言語を使っている。もう Perl であってもなくても良いのだ。
さらに GAE のような本来 PaaS である環境でも Docker コンテナが動き、言語のくびきを離れてしまった。 GAE だから Python で書くかな、みたいな発想は要らなくなった。本当の意味で「言語なんてどれでも良い」が実現しつつあるように感じる。
であるならば、翻って Perl であっても良いではないか。今どきの流行りだからなどと言う理由で言語を選ぶ必然はもはやない。
おお、 GAE で nodejs 使えるのか、やってみよう!*1という前に、 Perl をやってみれば良かったのだ*2。
溜まりに溜まった下書きを放出
した。
ちなみにまだ半端な状態のものがたくさんあって、困ってます…。
- さよならの儀式、のまえに極恒星群もある
- オニキス、アマゾンおすすめだった
- フェッセンデンの宇宙、いまさら
- ダイナミックフィギュア、いつの下書きだこれ
- SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと、つっこみたいのと検証したいのと
- 天冥の標VIII、はパート全部揃ってからで良いかなとか逃げも考えつつ
まだまだある…。
know
一般的見解でラノベなのかそうでないかは知らないが、そこそこの軽さ/重さであった(偉そう)。テーマは想像と異なって面白かったし、SF的ガジェットも新規性は感じないものの良くできたものと思ったが、サイエンス的な側面でライトな感じ。
例えば、特異点の先があるとして、情報を持ち帰れる以上何かがあるわけだけれど、それが機能しうるプラットフォームとはなんだったのか。特異点の先だから分からない、と言う理由付けでは、さすがに unknown 過ぎて、未来を想像できる連中であればあるほど確信を持って進めないはず、と思う。となると逆説的に、特異点の先をある程度類推できていたはずで、視点人物が凡人だから分からないのだとしても、そうした部分の記述がないのは、少々都合が良い話だと感じる。
しかし、特異点の先、という発想自体はなかなか面白くて、ツッコミどころはあるにせよ、ああそうきたのかーと思った。
と、瑣末な話に足を取られずに、普通に楽しめば良いのではと思います。
皆勤の徒
なんと言いますか、要するにおすすめできない。円城塔と同様の状態であり、理由も似た感じだ。ここには、おすすめできない理由を記す。
はじめに書いておくけれど、決して作品が悪いわけではない。むしろ素晴らしい。本当は、ぜひ読んでもらい、解釈を語り合いたい。
しかし、おすすめするのは困難である。なぜなら、忍耐と不真面目さを同時に要求されるから。内容は全く異なるが、その点が円城塔と同様だ。
世界観の問題もあるが、何より手法の問題が大きい。頭から読んですんなり理解できる設計ではなく、わからないなりに読み飛ばして進める忍耐と不真面目さが要求される。それは例えば、やったことはないけれど、未知の言語で書かれた古文書を解読するようなイメージだろうか。ランダムに意味が埋まっていき、やがて繋がり合う。散りばめられたヒントを拾い集めると、やがて全容が見える。
自分はかなり好きな類で、気持ち的には勧めたいのだが、決してお話として読みやすくはない。下手するとこれがSFなのだとか思われてしまって、もっと気楽に楽しめる多くの可能性を潰してしまうかもしれない。なぜか巻末に大森さんの解説がついていて、挫折の可能性が高いことを伺わせる。実際かなり高いだろう。この手のものは、大好きだけれど勧められないのだ。
しかし、3回読み返す覚悟さえあれば、楽に読める本の何倍も楽しめる。
書き出しはどの一日からでも構わないのだそうだから、読む方も同様。もしも読むのであれば、分かるところから読むのが良い。