航空宇宙軍史・完全版
長かった…。5冊あるのはもちろんだが、1冊がかなり分厚い。レナルズのほどではなかったが、それに迫る厚さ。
航空宇宙軍史は、短編集に入っていたのを少し読んだことがある程度だった。
序盤はガチガチに固めたハードSFといった感じで、宇宙で戦争したらこうなるという、地味でリアルな描写が続く。太陽系内は広いし、例えば対艦戦闘は相手の交差軌道にデブリを撒くという感じなのだが、そこにはリアルな緊迫感がある。
と思いきや、終盤は恒星間で戦争しているし、しかも単純に外敵とみたいな形にならずなかなか込み入った話になっている。作品としてはこちらが先に出ているのだが、私はデブリを撒いていたところからスタートしているわけで、正直想定外な展開で楽しめた。
実は序盤の地味さの中であってもこっそり驚くべき能力を発揮しているのが航行用のエンジンだったりする。航行図などが挿絵で入ったりするのだが、いわゆる経済軌道を取らずに力技な軌道を取っていたり。リアル方向に倒れるとどうしても太陽系ですら広すぎる感が否めないのだけれど、そうか大加速度で力技…みたいに思った。
// コロンビア・ゼロはストック入りしました。