異星人の郷

SFらしさもあまり無く、重量感たっぷりの内容で密度が高いので、冒頭は読み進めるのが大変だった。のだが、作り込まれた世界観も、丁寧な考察の上に成り立つストーリーも、それぞれ素晴らしく、読み進めるほど面白くなる。

特に、主な舞台となる中世の世界観が、自分はその辺の事に疎いので解らないのだけれど描かれている通りだ(或いは割と近い)とするならば、確かに技術も知識も現代に比較して少ないかもしれないけれど、極めて論理的で理性的な思考体系がそこにあったということを示していて、恐ろしくなった。現代のほうがずっと野蛮なのでは無いだろうか。いや、ファーストコンタクトものなのだけれど、どちらかと言うと「中世の人間の反応シミュレーション」が真に迫っている。

「現代」パートの謎解きが、もっとわくわくするものであっても良かったとは思う。あとがきを読む限り、もともと「現代」パートがあってそれを長編化したようで、確かに「現代」パートだけを読むことを考えれば、その部分の完成度は高いように見える。しかし、付け加わったのだろう「中世」パートがあまりにも作り込まれているので、「現代」パートが軽くなってしまったように感じた。パートを混ぜて挿入するよりも、別々に読んだほうが良いかもしれない。

異星人の郷 上 (創元SF文庫)異星人の郷 下 (創元SF文庫)

MM9

何テンポか遅れて読んだ。気構えずに読める内容。

ハードな感じのSFが好きな自分からすれば、SFと呼べるのか微妙なラインだと思ってしまう。設定が突飛なのはともかくも、その設定にどっぷり浸れるくらい十分な深度を持つ世界観が構築されているとか、その設定をもっと理詰めで突き詰めるなどが欲しかった。

とはいえ。怪獣ものにきちんとしたバックグランドを付けようといった時点でそもそも無理がある訳で、そういう極めて難度の高い代物に挑む気概は感じる。「好きさ加減」というか。自分はそもそもが特撮関係を得意としないからアレなのだけれど、好きな人にとってはなんだかとても好ましいのではないだろうか。なんてことは思った。

ストーリーとしては、普通にも続きが書けそうだし、実際書かれているようだし、掘り下げられていない事柄は非常に多い(人物造形もバックグラウンド設定も)。ということで、今後に期待、なのかな。

MM9 (創元SF文庫 )

下書き

下書きをすると、「記事の管理」に入るけれど、バックアップと混同して、消えたかと思った。編集画面から直接下書きにアクセスする方法があると良い、かなぁ…?或いは、下書きの数字を「管理」メニューに表記するとか?

WYSIWYG表示

はてな記法モード」はどうやって使うのだろう…。

と思ったけれど、「見たままモード」と「はてな記法モード」で、上のWYSIWYG表記が同じだけで、ボタンを押したときの動作が異なるらしいという事に気付いた。ふうむ。

地雷 - 全宇宙を引き合いに出してしまう件について

もう2回目なので、表立って言わなければならない。プログラマに3回目はない。

全宇宙のはてなスターが100億個を突破しました - はてな広報ブログ

おめでとう。でも。

宇宙と言うのは、とても広いのである。だから人類にはまだ全然分からない事だらけだ。星の数ですらそう。宇宙は未知のフロンティアであり(以下数時間)

まぁ言いたいのは、全宇宙を引き合いに出すにはまだ時期尚早だと言うことだ。以下に、星=恒星と考えて、現在言われている数(の一説)をまとめてみた。

小マゼラン雲 2,000,000,000
はてなスター 10,000,000,000
大マゼラン雲 20,000,000,000
天の川銀河 200,000,000,000
アンドロメダ銀河 1,000,000,000,000
全宇宙 1,000,000,000,000,000,000,000,000?

我々天の川銀河の伴銀河、大マゼラン雲とは、もうちょっとで張り合えるかも知れない。だが、現在分かっている範囲でしか言えないけれども、全宇宙はオーダーが14桁ほど違うんだと言うのも分かって欲しい。

要するに「人間の感覚ではわからないくらい多い」で統一されているだけなのではないか。だがそんなふうに思考停止してはいけない。なので分かりやすく、人間に全体が把握出来るくらいに収めた場合はどのくらいになるかと考えてみよう。

例えば25mプールの水量がだいたい400tくらいだと仮定する*1。400tも人間にとっては多いが、25mプールは「見渡せる範囲」な感じもする。で、オーダーが14桁違うのだから、0を14個削ればいい。その前に0を削れるように単位を変えておく。400t = 400,000kg = ... = 400,000,000,000,000μg。つまりマイクログラム単位で考えればちょうど良い。

これを使って、件のタイトルを同じように表現すると、「25mプールの全水量に、4μgの水を追加しました」みたいな感じだ。

全宇宙を引き合いに出すにはまだ早い。先はまだまだ長いのだ。

全宇宙を引き合いに出すには

人類が例えば100億人になったとして、一人が毎日100個星を付けたら、一日1,000,000,000,000(10^12)個の星が付くので、およそ1,000,000,000,000(10^12)日 = 30億年弱(3*10^9年弱)で張り合えるようになる。地道な努力が必要だが、ちょうど良いことに太陽はまだ存在していそうだ。ただ、地球環境の変化はもっと大きなものになるだろうから、早めに宇宙進出し、より安全で恒久的な文明を構築していくことこそ、「全宇宙」を引き合いに出す為の第一歩と言えよう。

ヒートアップした弁明

別に揚げ足取りをしたいんじゃないんだけど、「全宇宙」とか言ってしまうのは、完全にaqlの地雷踏んでるんですよ。自分に向けてネタ振りされているとしか思えない。

前日にこそっとネタを振られたあげく、なんとなく予想はしてたんですがまたもやこれをやられてしまうと、もう黙っていられないのです。1回目もこらえ切れなくて、ブックマークとかに書いちゃったし、他のところにも(見えないように)書いてたんです。でもね。2回目だもの。プログラマは繰り返し作業を見つけたら即排除ですよ。

張り合ってるんじゃないのは分かります。はてなスターは今のところ地球ローカルなサービスなので、太陽系と書こうが銀河系と書こうが、正しいですよ。張り合ってるのは私ですよ、ええ。一方的に。

だって宇宙とか!もう!そこ踏まないでよ!他のたいていのことなら良いんですけれど、宇宙だけは、宇宙だけはひと言(ふた言み言…以下略)言わせてもらわないと気が済みません。

確かに「はてなスターには大マゼラン雲より多くの星があります!!!」とか言われても99%の人には伝わりませんよ。まあね。でもaqlには伝わる。マゼラン雲超えちゃったかーみたいに思います。

そもそもはてなスターとか。+☆をぽちぽち押したら、星の数が増えるんじゃなくて質量増えるべきじゃないのか!とか思ってますよ。思ってますとも。小粒なエントリなら矮星、徐々に大きくなりそこそこ平凡な太陽クラスのG型や超弩級のO型、何だか輝きが安定しない脈動変光星、唐突に華々しい新星や、明らかに終わったエントリなのに復活して大フィーバーするIa型超新星、何だかひきつけて止まないブラックホール。宇宙は多様であるべきと思っていますよ。

何の話だっけか。うん、つまりaqlが気付きそうな範囲内で宇宙の話題を不用意に出さないと良いと思います。或いは訳の分からない方向から食いついてくるのをニヤニヤ眺めるか、二択です。

*1:25*12*1.3[m^3]と考えたとき390[t]