打って変わってハードな感じに。ううむ、やっぱりこのほうがしっくりくる。
イーガンは全般的に評価が高いけれど、それでも自分は、良し悪しとは別の「好き嫌い」が相当あるだろうと思っている。 例えば自分は、離散しすぎて尻すぼみな感の否めない「ディアスポラ」とかが苦手だ。
とは言え。短編は意外とハズレなく楽しめていて、今回もそんな感じだった。「ディアスポラ」と同じような世界観も多々登場するが(きっと作者が好む設定なんだろう)、世界観に関して文句があったわけではないから、これらも充分に、いやとても楽しませてもらった。
より抽象度の高い数学ネタもあって、最近円城塔が気に入っている自分にはびったりと来た。
全体的に、攻めすぎず守りすぎないバランスが良かったように思う。
時の地図
まあ…SFではないね。うん。ハヤカワ的にも、SF枠ではないし。なんか微妙に苦戦したのはたぶんそのせい。
ストーリー的にも、なんだかもっと圧縮できたのではないか、とかは思ってしまった。 最後はSF的アイデアでまとめられるのだけれど、濃度は低い。そこを狙っていないのだろうから、当然でもあるけれど。
あのくらいの時代もののお話が好きであれば良いのかもしれない。
異星人の郷
SFらしさもあまり無く、重量感たっぷりの内容で密度が高いので、冒頭は読み進めるのが大変だった。のだが、作り込まれた世界観も、丁寧な考察の上に成り立つストーリーも、それぞれ素晴らしく、読み進めるほど面白くなる。
特に、主な舞台となる中世の世界観が、自分はその辺の事に疎いので解らないのだけれど描かれている通りだ(或いは割と近い)とするならば、確かに技術も知識も現代に比較して少ないかもしれないけれど、極めて論理的で理性的な思考体系がそこにあったということを示していて、恐ろしくなった。現代のほうがずっと野蛮なのでは無いだろうか。いや、ファーストコンタクトものなのだけれど、どちらかと言うと「中世の人間の反応シミュレーション」が真に迫っている。
「現代」パートの謎解きが、もっとわくわくするものであっても良かったとは思う。あとがきを読む限り、もともと「現代」パートがあってそれを長編化したようで、確かに「現代」パートだけを読むことを考えれば、その部分の完成度は高いように見える。しかし、付け加わったのだろう「中世」パートがあまりにも作り込まれているので、「現代」パートが軽くなってしまったように感じた。パートを混ぜて挿入するよりも、別々に読んだほうが良いかもしれない。
MM9
何テンポか遅れて読んだ。気構えずに読める内容。
ハードな感じのSFが好きな自分からすれば、SFと呼べるのか微妙なラインだと思ってしまう。設定が突飛なのはともかくも、その設定にどっぷり浸れるくらい十分な深度を持つ世界観が構築されているとか、その設定をもっと理詰めで突き詰めるなどが欲しかった。
とはいえ。怪獣ものにきちんとしたバックグランドを付けようといった時点でそもそも無理がある訳で、そういう極めて難度の高い代物に挑む気概は感じる。「好きさ加減」というか。自分はそもそもが特撮関係を得意としないからアレなのだけれど、好きな人にとってはなんだかとても好ましいのではないだろうか。なんてことは思った。
ストーリーとしては、普通にも続きが書けそうだし、実際書かれているようだし、掘り下げられていない事柄は非常に多い(人物造形もバックグラウンド設定も)。ということで、今後に期待、なのかな。
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はい、仕事します…。
下書き
下書きをすると、「記事の管理」に入るけれど、バックアップと混同して、消えたかと思った。編集画面から直接下書きにアクセスする方法があると良い、かなぁ…?或いは、下書きの数字を「管理」メニューに表記するとか?