白熱光
イーガンお得意の世界での、ある種のファーストコンタクトものだろうか。すでに銀河系内は複数の種族による文化が形成されている世界観だが、未発見の種族の手がかりを見つけて探しにゆくというストーリー。
全体は交互に展開する2つの話で成り立つ。特に「白熱光」パートでは、小出しにされる物理現象を読み解いて、その世界の状況を探っていく形になっている。メモ片手に図を描いたり計算とかしながら、「環境」を予想して楽しめるたりするのは、ハードSFの面白いところの一つだと思う。擬似的に物理学を再発見する遊びです。
で、この予想はかなりうまく行って上機嫌だったのだが、それでもなおオチはうわてを取られた。その点もだいぶ嬉しかった。
たぶん私的評価でのイーガン作品ではトップで、これまで読んだいろんな作品をひっくるめてもかなり上位に位置しそう。