プランク・ダイブ

打って変わってハードな感じに。ううむ、やっぱりこのほうがしっくりくる。

イーガンは全般的に評価が高いけれど、それでも自分は、良し悪しとは別の「好き嫌い」が相当あるだろうと思っている。 例えば自分は、離散しすぎて尻すぼみな感の否めない「ディアスポラ」とかが苦手だ。

とは言え。短編は意外とハズレなく楽しめていて、今回もそんな感じだった。「ディアスポラ」と同じような世界観も多々登場するが(きっと作者が好む設定なんだろう)、世界観に関して文句があったわけではないから、これらも充分に、いやとても楽しませてもらった。

より抽象度の高い数学ネタもあって、最近円城塔が気に入っている自分にはびったりと来た。

全体的に、攻めすぎず守りすぎないバランスが良かったように思う。

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)