Books

レッドスーツ

メタなSFで、特に宇宙もののB級SF好きがニヤリとしそう。なんだろう、ただでさえ”アレ”なギャラクシークエストをひっくり返して折り畳んで紙飛行機にして飛ばしてみた、みたいに言えば分かるだろうか。自分は好きです。

know

一般的見解でラノベなのかそうでないかは知らないが、そこそこの軽さ/重さであった(偉そう)。テーマは想像と異なって面白かったし、SF的ガジェットも新規性は感じないものの良くできたものと思ったが、サイエンス的な側面でライトな感じ。例えば、特異点…

皆勤の徒

なんと言いますか、要するにおすすめできない。円城塔と同様の状態であり、理由も似た感じだ。ここには、おすすめできない理由を記す。はじめに書いておくけれど、決して作品が悪いわけではない。むしろ素晴らしい。本当は、ぜひ読んでもらい、解釈を語り合…

白熱光

イーガンお得意の世界での、ある種のファーストコンタクトものだろうか。すでに銀河系内は複数の種族による文化が形成されている世界観だが、未発見の種族の手がかりを見つけて探しにゆくというストーリー。 全体は交互に展開する2つの話で成り立つ。特に「…

ブラインドサイト

ある種のファーストコンタクトものだが、「ある種」とは「ソラリス」の類である。 そもそも我々の想像する「生命」は、大抵が液体の水ベースなので、そうするとそういうものが安定して存在しうる環境は限られるだろう。ただ、「生命」や「知性」などの定義は…

天冥の標VII

いちおう、1巻の土台にようやく繋がるところ。ストーリーの土台としても、舞台としても、揃ったとことだろうか。巻数的に忘れ物がありそうではあるが。 1巻が必ずしも1冊ではないので、長い長い話になっているが、ひとつづきとしてちゃんと楽しめるのはすご…

箱男

自分はSF読みであるが、嫁(文系)のオススメでなぜか安部公房を読むことになった。SF読みと文学読みの共有可能なジャンルは、先鋭的純文学(?)であったらしい。あらすじや解説などを読むと、匿名性の追求やらということになっている。自分もそういう小難…

風の邦、星の渚

中世でファーストコンタクト、と来るとどうしても「異星人の郷」と比較したくなるが、方向性が大きく違う。別にファーストコンタクト自体はテーマではないようだし、そもそも問題にもなっていない。それよりも町作りものというか、「復活の地」のような感じ…

機龍警察 自爆条項

普通に警察ものとして読むと良いのではないかと思った。至近未来ということなので現実ともリンクしかねない設定になり、なかなか出来のいい「現代もの」と考えてもさほど遜色ない気がする。自分はそういうのはあまり読んだことはないので、そっち方面が好き…

THE FUTURE IS JAPANESE

海外で出版された「日本テーマのアンソロジー」を日本語に翻訳した、という、経路が何か複雑な逆輸入?作品集。玉石混交というか、これで終わっていいの?と思うような終わり方をされたりもするのだが、最近の短編のトレンドなんだろうか。良いんだけど。い…

ペンギン・ハイウェイ

唐突にこれを読んだのは、本作がSFだとかそうでないとかを見たからなので、一応SF読みとしてSFなのか考察したい。SFの定義は割と曖昧なので、ハッキリしたことは何とも言い難い。参照しやすいWikipediaあたりを見ても、何かの定義になっているようには到底思…

バナナ剥きには最適の日々

何故か円城塔が並んだので(しかも前回が200日以上前でさらに読んだ順序からすれば道化師の蝶の方がだいぶ先だ!)、もう一つ並べておく。基本的に自分は文庫派(?)の人間でハードカバーの本を買わないのだが(持ち歩きにくくて…)、せっかく珍しい人が芥…

道化師の蝶

書いたと思っていたのだけれど書いていなかったので(ローカルのノートに書いていたらしい)、今更ながら公開しておく。何故か今日、そんな話になったもので。表題作は芥川賞を受賞した。驚くべきことだ。難しいとか読めない、破綻している、バカにしている…

屍者の帝国

楽しんで読むことができた。いろいろあるにしても、きちんとエンターテイメントとして読める。何よりも素晴らしいのは、円城塔であるにもかかわらず、十分に伊藤計劃を感じられることだろう。確かに、伊藤計劃だったらこうはならないのではないか、と思うと…

図書館戦争

ライトでさっくり読めてしまうが、本好きの人たちが喜んだ理由というのはわかる気がした。本好きの人(≠本を読む人)たちって、決してマイノリティではないけれどかといって今どきマジョリティってわけでもなく、若干肩身の狭い思いもありつつ(それは自分が…

連環宇宙

「スピン」シリーズの完結編。2作目の「無限記憶」では、少し勢いが衰えたかなと思わせたが、本作では十分に盛り返している。終盤は壮大な世界観が描かれているのだけれど、お話として発散し過ぎることもなくきちんとスタートに戻ってくるあたりが、さすが…

プランク・ダイブ

打って変わってハードな感じに。ううむ、やっぱりこのほうがしっくりくる。 イーガンは全般的に評価が高いけれど、それでも自分は、良し悪しとは別の「好き嫌い」が相当あるだろうと思っている。 例えば自分は、離散しすぎて尻すぼみな感の否めない「ディア…

時の地図

まあ…SFではないね。うん。ハヤカワ的にも、SF枠ではないし。なんか微妙に苦戦したのはたぶんそのせい。 ストーリー的にも、なんだかもっと圧縮できたのではないか、とかは思ってしまった。 最後はSF的アイデアでまとめられるのだけれど、濃度は低い。そこを…

異星人の郷

SFらしさもあまり無く、重量感たっぷりの内容で密度が高いので、冒頭は読み進めるのが大変だった。のだが、作り込まれた世界観も、丁寧な考察の上に成り立つストーリーも、それぞれ素晴らしく、読み進めるほど面白くなる。特に、主な舞台となる中世の世界観…

MM9

何テンポか遅れて読んだ。気構えずに読める内容。ハードな感じのSFが好きな自分からすれば、SFと呼べるのか微妙なラインだと思ってしまう。設定が突飛なのはともかくも、その設定にどっぷり浸れるくらい十分な深度を持つ世界観が構築されているとか、その設…